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インドにおける
暑さ対策の強化

インドの猛暑は、地球温暖化の象徴として世界から注目を集めています。日中の猛烈な暑さに加え、夜間の気温も年々上昇しており、「暑い昼と暑い夜」の組み合わせは、今後人々の健康や生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。MEERはこの地域において、電力に依存しないパッシブクーリングを提供することで、持続可能な暑さへの適応策を構築しようとしています。

グジャラート州のスラムの数

2,058

平均夏季気温

38℃

年間の公式熱中症関連死者数

350

背景

裕福な人々は自宅や職場でエアコンを使うことができますが、そうではない何百万人もの人々は十分な冷却手段を持たず、熱中症や脱水症状、その他の暑さに関連した病気のリスクにさらされています。

インドでは、毎年10億人以上が影響を受ける激しい熱波が続いており、一部の地域では49℃に達することもあります。例年、最も暑くなるのはモンスーン前の晩春ですが、近年では3月初旬から記録的な猛暑が続いており、これは気候変動の影響とされています。

背景

このような極端な気象状況は、特に冷却手段の乏しい農村部や貧困層の人々にとって深刻な脅威となっています。また、気温の上昇は農業にも大きな影響を及ぼし、世界的な食料安全保障にも波及する恐れがあります。

熱波

全体として、低所得層は極端な暑さへの適応において大きな困難に直面していることは明らかです。この複雑な問題に簡単な解決策はありませんが、これらの地域社会が安全かつ健康に過ごせるよう、必要な支援や資源を届ける方法を模索し続けることが重要です。

これらの地域で深刻な問題となっているのが、トタン屋根やビニールシートなど、熱をため込みやすい素材で建てられた住宅です。

熱波

これらの地域で深刻な問題となっているのが、トタン屋根やビニールシートなど、熱をため込みやすい素材で建てられた住宅です。

また、低所得層には極端な暑さへの対策手段がほとんどありません。こうした地域の住民の多くは、住まいや職場の環境を自分で選ぶことが難しく、安定した電力や冷房設備にアクセスできません。その結果、多くの人々が必要な支援や資源がないまま、過酷な暑さに耐え続けなければならない状況に置かれています。

プネ

インド・プネでは、人口の約4分の1がスラム地域で暮らしています。限られた資源と機会の中で生活する約100万人の低所得層の人々は、上昇する気温に適応する上で深刻な課題に直面しており、その結果、熱中症などの暑さに関連する健康被害のリスクが高まり、極端な暑さの悪影響も深刻化しています。

この状況は、社会的に最も脆弱な人々に対する熱ストレスの悪影響を軽減するために、効果的な対策と介入が早急に求められていることを浮き彫りにしています。

プネ

暑さの中で生きる

この問題に対処するために、ヒートアクションプランや地域での啓発活動といった取り組みが、極端な暑さへの曝露を減らし、地域の「暑さへの回復力」を高めることに効果を発揮しています。さらに、クールルーフや建物設計の工夫といったシンプルな手法も、都市部の気温上昇への有効な対策となり得ます。
過度の暑さは、単なる不快さにとどまらず、命の危険すらもたらす深刻な問題です。インドでは、急速に開発が進む都市部に約5億人が暮らしており、空き地が舗装され、熱をため込む構造物へと変わっていく中で、多くの州が致命的な熱波にさらされています。そしてこの状況は、気候変動によって今後さらに悪化していくことが予想されています。

暑さの中で生きる

地域への働きかけ

MEERは今後、プネの低所得地域に太陽光反射材(ソーラーリフレクター)を導入する新たなプロジェクトを開始します。市内のコミュニティ団体と連携し、在宅で働く女性たちの家庭に適した暑さ対策を構築していきます。

連携する地域団体や住宅協会は、これらのスラム地域の住宅環境の改善・再開発と、女性に対する住宅所有権の付与を目指しており、女性たちのレジリエンス(困難に耐える力)を高める取り組みを進めています。

地域への働きかけ

この地域では、多くの女性が在宅で働いており、過度な暑さは経済的な不利益をもたらす要因となっています。そのため、快適に暮らせる住環境の整備は極めて重要です。

MEERによるこの新しい取り組みは、プネにおける極端な暑さに立ち向かうために特化したプロジェクトであり、気候変動に強い地域づくりに貢献することを目的としています。この活動が地域住民にとって大きな助けとなり、暮らしの質の向上につながることを期待しています。

「私たちが実際にしていることと、本当はできることの差が
埋まれば、世界のほとんどの問題は解決できるでしょう。」

― マハトマ・ガンディー

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